そもそも、印刷とは

2017年8月1日 印刷まめ知識

そもそも、印刷とは

だれも一度は版画をしたことがあると思います。版木に絵や文字を逆さまに彫って紙に写します。これが印刷の基本的な原理です。

彫った版木を横から見ると、凸の部分にインキを塗って印刷します。凸版(活版)印刷と呼ばれる方法です。昔の新聞社や印刷工場では鉛の活字を一文字一文字組んで版を作っていました。今でも「活字の刷り上がりでなきゃだめ」という人もいるみたいです。

凸版とは逆に版の凹んだ部分にインキを流し込む方法もあります。これが凹版印刷で、凹んだ部分にインキを厚く盛ることでボリューム感があり、写真印刷などに適しています。グラビア印刷も凹版印刷の一種です。

凸も凹もない平たい版にインキと水を使って印刷するのがオフセット印刷(平版印刷)という方式です。凸版印刷と凹版印刷の版は逆さ文字ですが、オフセット印刷の版は、そのまま読むことができます。版の水のない部分にインキが付き、それがブランケットに転写され、紙に印刷されます。紙と版が直接触れないので、オフセットと呼ばれています。

印刷の原理と印刷方式

オフセット印刷が現在の印刷の主流ではありますが、ITの進化によってパソコン画面から直接印刷するデジタル印刷が急速に普及してきました。オンデマンド印刷という言葉を耳にしたことがあるかと思います。オンデマンドとは(要求にこたえて)という意味で、要するに必要なものを、必要な時に、必要な数量だけ印刷することです。使用するのはパソコンと高性能のレーザープリンタです。多品種で少ロットの印刷はオンデマンドが向いていますが、美しさなどの品質を求めるならオフセットに軍配が上がります。